海外生活回想記⑨

スターバックスコーヒー店の苦い味　新町　齋藤留治

　確か去年、鶴岡にも世界のコーヒー店として名高いスターバックスが開店した。

　一度店に入ってみたいと思いながら未だ入ってはいない。理由は簡単、駐車場が狭く、車を止める事がなかなか出来ないからである。

　スターバックスという名前を始めて知ったのは、オーストラリアのブリスベーンに行って一週間位経ってからである。

　ブリスベーンには私一人で渡航したもので、勿論知り合いは誰もいない。

　しかし、幸いにも語学学校に入学して一週間ぐらい過ぎてから、同じ寮に住んでいる日本人のＭさんと知り合いになる事が出来た。

　その日本人も学校を出てから何十年、日本では会社経営者であったが後継者に後を託して、一念発起してブリスベーンに来たということであった。

　２人とも語学の勉強はチンプンカンプンで、緊張をしながら過ごした一週間後の週末になって、ダウンタウン（街の中心地域）に街の探検に出かけて、最初に入ったコーヒー店がスターバックスである。

　それまでスターバックスという名前も知らなかったので、一緒に出かけたＭさんに「スターバックスとは何ですか」と聞いたところ、「アレ」という様な顔をされた。

　埼玉県から来たＭさんには「齋藤さんはスターバックスを知らないのか。齋藤さんは山形の裏日本の庄内に住んでいるからなァー。」と、変に感心された事を今でも鮮明に覚えている。

　（私としては逆に「夏になると鉄板焼きになるような暑い埼玉のどこが良くって住んでいるのか。」と返してやりたかった。私より早く帰国したＭさん、田舎の庄内が気に入って庄内に何度も足を運んでいる。）

　でも、言われても止むを得ない。秋田にも新潟にも高速道路が繋がっていないのだから。

　鶴岡出身の議員さん、今回の参議院選挙で落選をした議員さんのように「Ｋ議員の顔も・・・」と言われ兼ねないと思いますが。

　Ｍさんと一緒にドキドキして入った店内では店員に苦笑される一幕が待っていた。（次回に続く）