閔農　其四　　農(のう)を閔(うれ)う　其の四　　城貞（藤の花）

俶載美田時覚愁　　　美田(びでん)に載(こと)を俶(はじ)め時(とき)に愁(うれ)いを覚(おぼ)える

偶然靡靡踰近疇　　　偶然(ぐうぜん)　靡靡(ひひ)として近疇(きんちゆう)を踰(こ)ゆ

千村万落生幽草　　　千村(せんそん)　万落(ばんらく)　幽草(ゆうそう)を生(しよう)ず

農政莫謨無所求　　　農政(のうせい)謨(はか)る莫(な)くして求(もと)むる所(ところ)　無(な)し


土地のよく肥えた田畑で仕事を始めるが、時々農業について心配することがある。

たまたま近くの田畑を、ゆっくりと通りすぎてみたとき

多くの農村は荒れ果て、雑草が伸び放題のありさまだ。

一貫した農業政策のない今の政府には、何も期待をしないことにした。


閔＝心配する。

俶＝始め。

載＝しごと。

美田＝土地のよく肥えた田畑。

愁＝心配する。

偶然＝たまたま。

靡靡＝ゆっくりと歩く。

踰＝通りすぎる。

疇＝田、畑。

千村万落＝たくさんの村々。

幽草＝奥深く繁った草。

謨＝広く計画し定める。

求＝願う。たのむ。