世界の国々　ミャンマー(ビルマ)①

独立・民主化とアウンサンスーチーさん　青山 崇

　インドシナ半島の西部に位置し、人口約５１４０万人、国土は日本の１・８倍、首都はネピド―。

　軍事独裁政権から弾圧をうけたアウンサンスーチーさんは日本でもよく知られている。

　ミャンマーでは苗字がなく名前だけで、一語ずつに意味があり、アウン（勝利）サン（稀な）スー（集める）チー（澄んだ）を指す。

　アウンサンは父の名前で、英国・日本の植民地化に反対し独立の１年前に政敵によって暗殺されたが、ミャンマー独立の父として国民的支持を受けた人である。

　独立後、議会制民主政治が行われたが、民族間の武装闘争が始まり、１９６２年、国軍がクーデターで政権を握り、軍事独裁政治が始まった。

　１９８８年「民主化運動」が起こり、英国に家族と共に暮らしていたスーチーさんが帰国し運動の指導者になった。

　「第二の独立運動」と言われ、独裁大統領を退陣させたが、社会は混乱し、治安も乱れ、軍事政権が復活し、スーチーさんは以後22年間に15年、自宅軟禁の弾圧を受ける。