雑題　其の五　城貞（藤の花）

雑題　其五　　　　　　　雑題　其の五　　城貞（藤の花）
　　
天時政治雅蟠多　　　天時(てんじ)　政治(せいじ)　雅(つね)に蟠(わだかま)り多(おお)し

共党約公誓莫羞　　　共党(きようとう)の約公(やくこう)　誓(ちか)い羞(はじ)る莫(な)し

選敗一遺何日復　　　選(せん)に敗(やぶ)れて一(ひと)たび遺(おち)れば何(いず)の日(ひ)にか復(かえ)らん

願朋民報未恂疏　　　願(ねが)わくは民報(みんぽう)を朋(とも)とすれば未(いま)だ疏(そ)なるを恂(おそ)れず


天のめぐりも世の中の政治も、とかくいつも、さしさわりが多い。

共産党は、国民と公約したことを、あざむくことはない。

選挙に負けて一たび落選すれば、ふたたび、もどることはないのだ。

できることなら、民報を愛読している人と疎遠にならず、約束を励(れい)行(こう)すればおそれることはないのだ。（選挙で苦戦することはない。）


雑題＝分類しにくい題材を詠んだ詩。

天時＝自然の運行の推移（風、雨、寒、暑、昼、夜、晴、曇など）。

雅＝もとより。

蟠＝心の中につかえているしこり。

共党＝共産党。

約公＝公約。

莫＝無い。

羞＝ばかにする。あざむく。

選＝選挙。

遺＝失う。

復＝ふたたび。

恂＝おそれる。

疏＝遠ざける。