守谷吉男氏を偲ぶ　太田榮市(藤岡)

太田榮市氏（藤岡）

　愛娘さんのところからお骨になり帰宅し、家族葬で葬儀も終了している。

　戦後の混乱期から大いなる希望と民主主義を自覚させられた。

　上林与一郎先生の意を受け、新町の山口稔家の２階に間借りしながらも、29歳で県議会議員に当選した。

　駅前の街頭に立ち、「ご町内の皆さん守谷吉男です」で始まる演説は、多くの町民の心を動かし、もの言わぬ〝おとなしい〟住民を、団結と行動力に成長させた。

　住民の変革と革新勢力の育成、団結力は守谷さんの政治力が大きい。

　当時の米価要求運動や共済組合の改善運動等で大きな成果をあげ、特に農家の生活向上に多大な影響を与えた。

　国際的にも活動を広げ、特に中国との国交確立に力を発揮した。

　山形県における「日中友好協会」の結成にあたられ、40数回もの訪中団を実現し、守谷さん自身は訪中１５０回余を数える実績を残している。

　ハルピン市内に山形県事務所が開設され、人的交流や物流等、徐々に行われたのも守谷さんの尽力が大きい。

　山形県、そして庄内にとって不動の政治家であり、多くの住民の支持により、県議会議員10期当選、40年の政治活動は叙勲によって証明されている。

　長い長いご指導を頂き、各種の会合にご一緒した事が多い。

　守谷さんは何時どんな所であっても怒鳴り声を出したり、必要以上の行動をした事を私は見たことも聞いたこともない。

　心から素晴らしい人格者であると言える。

　多くの同志と共に「守谷さん有難う」と申し上げ、ご冥福を祈るばかりである。


守谷吉男顕彰碑・羽黒町農村センター

・守谷吉男氏 逝去／ランドセル贈呈の提唱者（民報藤島2018年11月04日第1174号）