刈稲(いねをかる）

　城貞（藤の花）

千里平疇刈稲忙　　　千里(せんり)　平疇(へいちゅう)　稲(いね)を刈(か)りて忙(いそが)し

颱風不作旱蝗亡　　　颱風(たいふう)　作(つく)らず旱蝗(かんこう)　亡(な)し

田家以苦乃為楽　　　田家(でんか)は苦(く)を以(も)って乃(すなわ)ち楽(らく)を為(な)す

農月無閑百慮忘　　　農月(のうげつ)　閑(かん)　無(な)く百慮(ひゃくりょ)　忘(わす)る


見渡す限り、整理された平らな田んぼでは、農繁期に入り稲刈りに忙しい。

今は台風も起こらず、いなごの群れに　稲が食われる害や、日照りの害もない。

農家は苦労こそが楽しみなのだ。

農繁期となり、稲の収穫で暇な時間はなく、農作業のことで頭がいっぱいでいろいろな雑念もなくなってしまう。