日本人と憲法　ＮＨＫ世論調査から考える⑤

憲法９条を評価するが70％

ーあらためて憲法を学ぶ　青山崇

　「非常に」28％と「ある程度」42％を合わせた『評価する』が70％に上り、「あまり」18％と「まったく」７％を合わせた『評価しない』25％を大幅に上回っている。

　この傾向は年代・支持政党・男女でも変わらないが、少し見てみよう。

　年代別では、40～60代が70％を超え、18～29歳、30代、70代以上が60％後半である。

　支持政党別では、与党で67％、野党82％、「支持なし」73％であり、与党67％は少し意外で、与党支持者にも大いに働きかけよと言っている。

　ところが、前回で見たように、９条に自衛隊明記は賛成か反対かについては、全体では、賛成31％、反対22％、どちらともいえない40％で、賛成が反対を上回るも「どちらともいえない」が最も多い。憲法改正の賛否と同じ状況である。

　その内訳は、40代までの比較的若い層では「どちらともいえない」が半数近くを占め、18～29歳では54％と過半数に達している。やはり迷っている状況である。

　そして、賛成の理由として、「自衛隊の位置づけを明確にすべきだから」が50％を占め、「国際情勢が緊迫しているから」が31％、「将来の９条の抜本的な改正につながるから」が15％で、政府与党の宣伝がある程度浸透していることが見逃せない。