日本と同じ平和憲法を持つ小さな国・コスタリカ

ーあらためて憲法を学ぶ　青山崇

　コスタリカは中米にある人口４９０万人ほどの小さな国。日本と同じく、戦争放棄と軍隊不保持を決めた平和憲法を１９４９年制定した。前年の内戦で当時人口70万人の内約２０００人死亡という惨状を繰り返さないためであった。軍隊があるから戦争になる、なければ喧嘩になっても戦争にはならない、と反省し軍隊廃止を決めた。ところが日本との大違いは、簡単に憲法訴訟ができることである。

　２００３年イラク戦争の時、コスタリカ大統領がアメリカに賛同したので、ある学生が大統領を憲法違反で訴えた。コスタリカでは訴状を書く必要はなく、電話一本で憲法訴訟ができる。憲法裁判所は憲法違反とし、大統領も判決に従い、発言はなかったことにし、アメリカに有志連合からの脱退を通告したという。

　簡単だから憲法訴訟は１年間で約１万２０００件もある。学校の教育環境が整っていないと小学校２年生も訴訟する。憲法を生活の中で身につけ、権利が侵されたら、行動し、実践する。コスタリカでは法律が身近にあり、みんなが法律を使うという。「日本でも憲法の人権が満たされているかというと、そうじゃない。それぞれの人が自分の置かれた場で憲法を考え使っていくべき」と語る、今評判の『凛とした小国』の著者・伊藤千尋さんである。彼の著作を参考にしました。