「自由ってすばらしい」

亡くなられた野際陽子さんの残した言葉ーあらためて憲法を学ぶ　青山崇

　女優・野際陽子さんが６月13日亡くなった。しんぶん赤旗24日「潮流」が、野際さんについて書いている。筆者が一度だけインタビュー。小学４年の時に終戦、「男の子と野球をして遊びました。おとなは(敗戦で)呆然としていますから何をしても怒られなかった。自由ってすばらしいと実感しました」と話したという。「自由ってすばらしい」に共鳴した。

　私とは４歳下、生まれは石川県の田舎だが３歳からは東京育ちだから、田舎育ちの私も草野球に夢中だったから、「六三制野球ばかりが上手くなり」は全国的現象だったのだ。それまで、鬼畜米英兵に見立てた藁人形を突く訓練、分列行進など軍隊まがいのことだけやらされた私たちに、そんな揶揄は耳に入らなかった。それが戦後の子どもの自由だったと思う。若い教師たちも、授業そっちのけで作家論・作品論を、泡を飛ばして熱っぽく語り自由を謳歌していた。

　さて憲法は第３章で、まず基本的人権について「侵すことのできない永久の権利」などその根本を述べ、19条で、人間の尊厳の基本的条件、精神の自由を保障する「思想及び良心の自由」を最初にあげ、信教の自由、表現の自由、言論の自由、学問の自由などとつながる。
「自由ってすばらしい」のである。