ゲスの勘繰り

新町　齋藤留治

　かつて、今も、中国の旧満州の人々から戦争犯罪３悪人と言われているそうだ。「昭和の妖怪・ＫＮ」を祖父に持つ総理大臣閣下。

　李下(りか)に冠(かんむり)を正す事を忘れてしまい、国会では自由党のＹ参議院議員から「Ａ総理大臣閣下」と言われても、「これは印象操作」等と興奮もしないで、平然としていた顔がテレビに映っていた。

　生い立ちからか、話術巧みで横柄な態度のこの人（私にそう見えます）。

　自分を取り巻くおべっか使いの友人達や、お金持ちの為にしかならなかった造語・・・ミクス（自分の発想ではなく嫌いなある新聞で使われてヒット）という幸運にも恵まれ、我を忘れてしまったのか、生活に苦しむ国民の声を聞く事が苦手な総理大臣になってしまった。

　ある時、この人の元に２人の友人？（不思議な事に２人とも名字がＫで始まる）がやってきて、友人達に「閣下が目指す美しい国日本の為の学校を作りたいので権力を貸して」と懇願されたようだ。

　しかし閣下も一国を司(つかさど)る身なのだから、当然躊躇はされたと思うが、友人達に「閣下、貴方は今、天にも昇るような勢いのある方、マヌケな国民や国会議員には判らないから、是非私達の希望を叶えて下さい」とおだてられ、昇龍(のぼりりゆう)の気持ちが高ぶってか、賢者の立場を見失ってしまったかもしれない。

　天にも昇る勢いの閣下はすぐに、「私の友人達の為に便宜をはかれ」と、部下に言ったとか言わなかったとか。

　閣下と取り巻き達によって画策された事が、まもなく人々の目や耳に届くようになって、閣下や関係者は責任から逃げようとするばかり。

　やがて一人の男が「すばらしい嘘でしょう。この嘘で国を動かしたらすばらしい国になるでしょう」などと告発。　悪巧(わるだく)みをした大臣達は嘘だと白状してしまうと、マヌケ大臣だと思われるのがイヤなので嘘に上糊(うわのり)。

　「ゲスの勘繰り」と国民や野党議員をバカにしたり、「人の噂も75日」と枕を高くしていると、後で大きなしっぺ返しが来ることを忘れるほど、この国の政権は腐ってしまったのだろうか。

　貧乏学生の頃、友達の中にある宗教の会員がいたが、彼は熱心に「・・党は福祉と平和の党」と信じ込んで投票依頼をしていた事が目に浮かぶこの頃である。