私の昭和 45

八栄島村農業協同組合（農協）誕生　鈴木重雄（89歳・八色木）

　昭和22年農協法が公布され、翌23年施行と同時に各町村一斉に農協が設立された。

　組合長は豊栄・日向定吉さんが村長と兼務であった。教育者で新堀小学校長を最後に退職された物静かで剣道の達人であった。

　農協事務所は何年か前、役場と合同庁舎として立谷沢小学校の校舎を払い下げ移築し、廊下を挟んで両側に分かれていた。事務所前に資材倉庫もあったが、これも何処かからの移築である。

　宿直室は一緒であったのでお話を聞く機会もあった。梁桁を走るネズミを木刀で打ったと聞いている。川魚捕りや動物好きで自宅の庭の鶏舎に何種類かの鶏を飼育していた。

　定吉さんは、豊栄日向伴蔵さん(現当主一夫さん)の生まれで、一夫さんの話によると父祐太郎さん（甥）を連れて川魚捕りや火ぼり、水辺を走るネズミをヤシで捕えたこともあったと言う。翌年村長、組合長を辞職され、昭和29年、町村合併時に議員を務められた。