｢公益及び公の秩序｣の魔物は、表現・結社の自由を抑えることにも

ーあらためて憲法を学ぶ　青山崇

　憲法第21条は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。２　検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」としています。

　自民改憲案は、１項と２項の間に、「前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。」、とたくみに新たな項を差し込みました。

　ここにも、魔物「公益及び公の秩序」が顔を出します。さらに、このような「目的による結社の規制」はきわめて異常とされています。後に書きますが、自民改悪案が天皇中心の伝統、国家の継承を憲法の目的にしていることと合わせ考えると、「公益及び公の秩序」や「憲法の目的」に反するとして、「お国」のやることへの批判を一切許さなかった戦時中に逆戻りして、個人の思想・表現の自由、団体・政党などの結社の自由が抑えられることが心配されます。


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