「上を向いて歩こう／涙がこぼれないように／思い出す春の日／一人ぼっちの夜」に始まり、「悲しみは月の影に／上を向いて歩こう／涙がこぼれないように／泣きながら歩く／一人ぼっちの夜／一人ぼっちの夜」で終わる『上を向いて歩こう』。
55年前の１９６１年、永さん作詩で九ちゃんが歌い、日本人ならすぐ口ずさむ歌である。『今日は赤ちゃん』、『幸せなら手をたたこう』など国民の心の歌を沢山贈ってくれた。また多くの名言を残した。「資本主義といえば、経済の弱肉強食を認めることですよね。それなら政治には、せめて弱者救済をしてもらわなければいけない」と辛らつである。そっくりアベ政治に送りたい。
「屏風と店はひろげると倒れる」。私が１年間に書いたものを収めた『１９９７年の発言』への感想をまとめ、その表題に借りたものである。いろいろなことに手を出す私の自戒の念が込めてある。
敗戦直後の日本、物はなかったが自由な空気を吸って、何よりも平和憲法を握って輝いて生き、各界で新しい分野を拓いた、今80歳代の仲間たちが、永さんも含め去り逝くのは惜しまれる。
７月12日82歳で逝去した大橋巨泉さんは「週刊現代」７月９日号に、「安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせて下さい」が「遺言」になったという。
しんぶん赤旗日曜版７月24日号から
