天空の竜宮城　（新町 齋藤留治）

　数日前、東京都知事舛添要一氏の超豪華海外出張や湯河原にある別荘へ行くために、殆ど毎週末公用車を利用していたこと等が報道されていた。

　「随分ひどいことをしているもんだなー」と思っていたが、今度は家族との私的な飲食代等が不適切処理をされていたという。

　氏は自分の生い立ちについて「私は九州の福岡県に生まれた。父は戦前（太平洋戦争）から炭鉱経営をしていたが、炭鉱は日本のエネルギー政策の転換により次々と閉山…。その父も私が中学の２年の時に亡くなり、女手ひとつとなった母親の手で育てられた」とブログに掲載しているのを忘れたのかと言いたくなる。

　日本は何らかの事情でひとり親世帯となり困窮生活から抜けられない、貧しい子ども達が溢れているというし、以前は聞いたこともない下流老人等という言葉も見受けられるのに。

　数年前のある週末、私がオーストラリアのゴールドコーストという街のホテルに泊まろうとした時、現地の旅行社の手違いで超豪華なスイートルームを見せてもらったことがあった。

　その時は日本の文部省から派遣された職員（独身男性）と一緒だったのだが、ホテルの受付に行くと金髪の受付係女性が私達の宿泊予約はされていないという。

　今更ブリスベーンに帰ることも出来ないので「どんな部屋でもいいから泊めてくれ」と頼んだところ、「スイートルームなら空いています」という返事。

　そんな部屋今まで見たこともないし泊まった事は勿論ない。どんな部屋か興味もあったので「見てから決めます」と返すと、「それでは案内します」といって私達を20階ほどもあろうかと思われる最上階までエレバーターで連れて行ってくれた。

　彼女がカギを開けてびっくり。誰も見たことの無い浦島太郎の竜宮城は海。こちらは大金持ちが泊まる天空の竜宮城でした。

　勿論私達は見ただけでエレベーターは一階のカウンターまでストン。

　氏が言う事が本当ならば、こんな部屋に泊まって都民の顔が浮かんで寝不足になり公務に多大な支障があったのではないかと同情するのは徒労か。