アメリカは貧困の輸出国　（新町 齋藤留治）

　バンクーバーにも桜の木が沢山あって驚いたが、その木々が緑色に変わり暖かい季節になると、カナダ・バンクーバーの朝の街角のビルの物陰に横たわる路上生活者と思しき人達を見かけるようになった。

　昼はどのように過ごしているのか知らないが、夕方、私がお世話になっている家に帰る頃になると路上に座り小さなどんぶり茶碗を手にお金を無心している姿を目にする。

　中には犬も一緒に飼い主の隣に座り「何か食べる物を…」と目で訴えているようにも見えた。

　犬への同情心からか犬と同伴の人のどんぶり茶碗にお金を入れていく人が多かった。

　こんな生活を続けなければならない責任は犬には無いと私も時々カナダ㌦をどんぶりに入れてやったものでした。

　「カナダもアメリカと同じだなー」と思って過ごしていたが、後日、私が知り合いになったバンクーバー在住の日系人と一緒に飲んだ時に彼に尋ねたところ、「あの人達は格差社会のアメリカから渡ってきた人達、アメリカは貧困者の輸出国で迷惑」ということであった。

　話によれば、バンクーバーでは市民権（国籍は問わない）を取得すれば生活保護も受けられるし、もし病気のため病院で治療を受けても歯科治療以外は無料だという羨ましい話。

　自己責任等と攻める必要はなく「困った時はお互い様」という。

　駅前で新聞を売ったり空缶を集めて売ったりして結構金を貯めている人もいるようだということであった。

　「齋藤、貴方もこのままバンクーバーで暮らせよ」と勧めてくれた。（アベ晋三氏がのたまう「日本の社会保障は世界一」は出鱈目）

　日本もかっては総中流社会と呼ばれたがアベ政権によってドンドン壊されアメリカのような不平等蔓延国に突き進んでいるように思う。

　それを支える自公の議員さんはどう考えているのか、選挙の公認が怖くって何も考えないのか聞きたいものである。