まず米軍が勝手に振舞える基地は世界に例がないということ。同じ敗戦国のイタリアはナポリ湾の海上に米艦隊が停泊しているだけ。ドイツは地位協定を改定、現在は「米軍は国内法（航空法）遵守」になり、米軍基地内で警察権を発動できるようになった。日本では航空法一切無視、低空飛行、爆音まき散らしは日常茶飯事である。
さらに、駐留軍の主力は第３海兵遠征軍といい、海外への「殴り込み」が主な任務で、日本や沖縄を守る任務はなく、自由に海外に出撃できる基地は沖縄しか世界にないのである。
なぜこうなったか。１９５１(昭和26)年締結のサンフランシスコ講和条約３条で、沖縄は将来、国連信託統治制度下におき、米国が施政権者になる、それまでは、米国が行政・立法・司法の支配権を持つとしたことにある。
これは日本が降伏のとき受諾したポツダム宣言違反である。同宣言はカイロ宣言の条項は履行されるとし、日本が侵略した領土の放棄を求めただけで、これに沖縄は入っていない。だから講和条約が結ばれたら、日本に返還するのが当然であった。ドイツ・イタリアは、国の一部が米国の軍事基地になったところはない。ここにも沖縄の世界にない異常さがある。
しんぶん赤旗３月19日付
