私の昭和22

徴兵検査　鈴木重雄（88歳・八色木）

　兵役は国民の３大義務（兵役、教育、納税）なので、男子は満20歳になると徴兵検査を受け、合格すると一定の期間兵役につかなければならない。

　戦争も鮮烈をきわめ、敗色が濃くなるにつれて兵役義務年齢を19歳に引き下げた。

　それでも足りないのでさらに18歳を強制志願とした。

　志願に強制とは不可解であるが、私たちはそれに該当したので海軍に志願することになり、昭和20年６月藤島小学校体操場に東田川郡内の該当者が検査を受けた。

　担当軍医が一人ひとり身長、体重、胸囲、目耳は勿論、内臓、性病検査まで流れ作業であった。検査は誰も甲種合格を願っていた。

　私は航空兵を希望したが、耳に欠陥があることで航空整備兵に合格し、９月10日舞鶴海兵団入団の令状が届いたが、８月15日終戦となった。

　私の同級生や上級生の次三男は兵役についていたし、学徒動員で中学教育を受けている人もあまりいなくなったので、むしろ戦地に行くのを望んでいたような気もする。

　徴兵されるのは次三男が早く、長男は後回しであった。