記憶遺産登録は

亡くなった戦友への唯一の鎮魂　本間 勇（上平形・88歳)

　このたびの記憶遺産登録は、現在の平和がいかにして築かれたかを見直し、後世に伝えていくために大変貴重なことだと思います。

　今から66年前（昭和24年10月）、夢にまで見た懐かしい故国の舞鶴港の平(たいら)桟橋に降りました。

　大勢の人々の出迎えでしたが我が家からは来ていませんでした。

　父は昭和23年病死、２人の兄はフイリピン・レイテ島で戦死していたのです。

　日本帝国主義者達によって、軍隊生活約２年、抑留生活４年、東洋平和のためと駆り立てられました。

　抑留死した戦友の問題など戦後処理は終わっていません。

　なのに戦争の危険はどんどん進んでいます。

　遠い異国の地で亡くなった戦友に出来ること、それは唯一の鎮魂、記憶遺産として長く保存することです。

　この機会に、11月下旬、舞鶴港の平桟橋を踏みしめ抑留４年のドラマを振り返ります。