私の昭和　①　鈴木重雄(八色木)

　大正の時代も終わり昭和となった２年に私は生まれた。

　先輩や同年の人たちの多くが鬼籍に入り昔を語る人も希になり、「死亡適齢期」はもう過ぎたのだが、生まれ育った頃を振り返り少し書いておきたいと思う。

　日清戦争（１８９４年）から太平洋戦争終戦（１９４５年）までのほぼ50年は、日露戦争、日中戦争、第一次世界大戦、太平洋戦争とまさに戦争で明け暮れであった。

　太平洋戦争だけでも旧藤島町では４６５名（『藤島町遺族会追悼集』）が戦陣に散った。

　私の生きて来た昭和は光と影に分かれた時代である。

　戦後は復興と繁栄という明るい色調が目立つが、その豊かさは多くの犠牲の上に築かれたことを決して忘れてはならない。

　憲法改正手続きを定める国民投票法が、平成19年５月第１次安倍内閣によって成立し憲法改正の道筋をつけた。

　そして今、憲法改正なしで、解釈改憲で戦争法案を成立させた。