服部氏は山形市出身で私と同じ高校の一つ後輩、彼とポン友であったという友人がいるということで、いささか近親感を持っていた。彼は作曲家で大学教授も務め著書も多い。童謡ではレコード大賞童謡賞も受賞している。
出版社は、世の中に童謡が流れなくなって久しい。「夕焼け小焼」「シャボン玉」「めだかの学校」「おもちゃのチャチャチャ」……かつて子供たちを魅了した童謡は、時代の流れに取り残されてしまったのか。長く作曲を手掛けてきた著者が綴る、詩情豊かな童謡へのオマージュ(賛辞)とアピールする。
「朝の風」氏は、息子にきくと、「シャボン玉」「夕焼小焼」など知らないというのにショックを受けたという。この書を読んで、童謡は「日本文化史の生き証人」で、歌曲としても優れたものが多いことを知らされ、また「美しい童謡は平和といっしょにある」との指摘にも共感したという。名しか知らなかった私も、今の安倍政権の危険な情勢で改めて感銘を受けたのである。
