寄稿

安倍総理の言葉だけがトリクルダウン

Ｔ・Ｓ(藤島・新町)

　かつて日本人の新婚旅行先の一つとして人気があったのがオーストラリアの東海岸にあるゴールドコーストです。

　ゴールドコーストは私が住んでいたブリスベーンという町から特急列車で約２時間、大体鶴岡から新潟までの距離で料金は往復２千円超、ＪＲの３分の１位でした。

　バスに乗ってもフェリーに乗っても公共料金は日本に比べてだいぶ安く感じました。

　ゴールドコーストは太陽が溢れる観光地で日本食堂も沢山ありラーメンでも何でも食べることが出来ます。

　街の中心部にはホテルや高級マンションが立ち並び、中でも驚いたのは高い壁に囲まれ壁の上には有刺鉄線が張り巡らされた主にアメリカ人富裕層の豪華別荘街です。

　海側にはヨットが係留され門にはガードマンが数人、オーストラリアでは拳銃を所持することはできませんが、もしかして撃たれたら大変と遠くから眺めておりました。

　片方では明日の食べ物を心配しなければならない人が沢山いるのにと社会の不公平さをまざまざと感じさせられました。

　大体、安倍総理のトリクルダウンにあやかり個人でお金を出す人がありますか。

　強い人も弱い人も安心・安全に暮らせる社会をつくるために政府があるのであって、政府が主導して格差社会をつくろうとするなんてそんな政府は無い方が良い。

　安倍総理の「日本の隅々までアベノミクスの暖かい風を。」なんて大ウソ。暖かい風は一部の富裕層だけにしか吹かない事をアメリカ社会が教えているではありませんか。

　安倍総理になってから日本はアメリカの51番目の州にでもなったのかと錯覚するこの頃です。