猫田（ねこた・無音・関根・楪）・猫作（ねこさく・小中島）　　　青山崇

民報藤島2002年8月4日第354号

　猫田・猫作は、庄内ではここだけです。猫田は無音の北、関根の西、楪の西にあたる水田地帯です。猫田は猫の額ほどの狭い田とよく言われますが、そうではないようです。

　『荘内地名辞典』は「ねこは泥炭という説があり、低湿地の植物が泥炭化した田」としています。ここは昔、大沼があったという所で、「低湿地の植物が泥炭化した」典型的な田なのです。　

　猫は根子とも当てると聞くと、添川の天然記念物・根子杉を連想します。地名調べをする前の私は、ただ漠然と「根回りの大きい杉」と思っていました。地元の人との懇談でも反応は余りありませんでした。今の私も分からず、課題です。

　猫作は小中島集落を東西に走る道の南側で、西の地域です。この道の南側と北側で土質が違い、北は粘土質、南は砂質、だから稲は猫足のように細くしか育たない、こんな米づくりしかできなかったところから猫作と命名したと地元の人は言います。

　猫田で猫の額説を否定した私には、猫作で猫の足説に今ひとつ首を縦に振れないのです。（青山）