藤島町の農業実態を数字で見る

民報藤島2002年1月13日第325号

　藤島町の農業の実態を町農林課の統計で見ると、その特徴がわかります。１９８０年（昭55）と最近の数字を比べてみました。

　農業粗生産額は80億８千万円から54億３千万円へ33％も落ち込みました。

　特に１９９５年（平成７年）１月のＷＴＯ発足で、輸入米を受け入れてからが激減です。１９８０年と比べて、地域経済から年間26億円も失われていることになります。

専従一人１２７万円の所得

　農家の所得は町全体で21億円も激減し、専従者一人あたり１２７万円の所得しかありません。農業専従では暮らしていけない実態が明らかです。

農家数は４割減

　耕地面積は１４３ha減り、うち水田が１１０ha減りました。

　農家数は１０１４戸へ７２２戸（４割）も減り、平均耕地面積は２・35haから３・88haへ増加しました。一戸あたりの耕地面積は６割増加し、約４haになったことを示しています。

農業の高齢化は急速

　農業就業人口は33％減り約１７００人です。

　40歳以下の農業者は８０４人から１２１人へ85％も激減です。40歳から59歳も58％減少です。逆に65歳以上の高齢者が３倍化し、農業の高齢化が急速に進みました。

家族経営守る政策支援

畜産農家は９割も減少

　畜産農家は牛肉の輸入自由化（１９９１年）後、関税の引き下げなどの影響を受け、９割も減少したことになります。

　作目で伸びているのが野菜や花卉ですが、微増にとどまっています。その中でナスやネギ、露地メロン、枝豆などが伸びています。

大規模農家に農地集積

　経営規模別の農家数をみると、１ha未満が４分の１に減り、５ha以上は41戸から２２５戸へ増えています。10ha以上も15戸（１９９５年には６戸）と増え、大規模農家に農地集積が進んでいます。

町の産業のなかで

　農業総生産額は町の総生産高（１９９８年）３０７億７２２万円の17・７％、農家数は町の世帯数３０３４（２００１年）の33％、農業就業人口は町の就業人口（１９９５年）６５２８人の26％を占めています。　農業の経営耕地面積は町全体の面積63・22�怩ﾌ62％を占めています。

生命を育む産業

　貿易と市場の自由化を進め、農業をつぶしてきた自民党政治の結果は明らかです。　規模拡大はゴールなき競争となっています。

　問題は、だれがどのような形で農業を支えるかです。

　21世紀の農業は、環境にやさしい持続可能な農業だといわれています。農業は生命を育む産業で、農家は心（しん）をこめ、家族の愛情や目配りで生き物を育てます。

　兼業農家も含め集落営農を基礎にして、家族経営を守る政策支援が大切と考えます。